2008年12月30日

今年一年、お付き合いいただきありがとうございました

これが今年最後の更新になると思います。
また来年もよろしくお願い致します。

それにしても今日は朝から忙しいのにこんな時間までSS書いてて……馬鹿なの、死ぬのといった感じですね。……今日は完徹だ。
最後くらい綺麗なSSを書いて終わろうと思っていたのに、同時並行的に作業した所為で我ながらわけのわからないものになってしまいましたし。

どうしてもお暇だという方は続きを読むからどうぞ。


●リンク追加
二点リンクを追加させていただきました。お二方ともスレの方にSSを投下されている方です。
そんなこんなで勝手に親近感を抱いたりするのですが、どう見ても一方通行です。本当にry

黒色濡鴉(クロイロヌレガラス) 様
木寸さんが運営するサイト。香霖堂SSありオリキャラ東方SSありと自由に書かれています。
氏の代表作は(と勝手に言ってしまって申し訳ないですが)何と言っても怪奇探偵香霖堂シリーズ。幻想入りしてきた都市伝説に、何故か探偵に仕立て上げられてしまった霖之助が立ち向かいます。
お話毎にヒロインが変わるのも嬉しいところ。あちらこちらとツボをつかれまくりの、更新が待ち遠しいシリーズです。
スレにいる方は知っていると思いますが、読んだことのない人は是非。お勧めです。

いつも馬鹿 様
しめじさんのサイトです。開設されたばかりですが山のようにSSがあるので楽しめること請け合い。硬質な筆致がもたらす重厚なテキストが幻想的な世界に浸らせてくれます。
そんな格好いい文体でやられるコメディもまた面白く、是非とも見に行ってもらいたいサイトの一つです。


それでは皆様、良いお年を。













 いつもの服から動きやすい格好に着替えて、髪が落ちないように帽子を被る。
 目の前にはそば粉が山とある。そう、僕は今から蕎麦を打とうというのだ。
 これはもう毎年恒例の行事になっていた。それもそのはず、年越し蕎麦を食べることは
僕には中々難しい問題なのである。
 麺を買い置いておけばいいのだが、それでは少し風味が落ちる。乾麺では味気がないし、
大晦日当日に蕎麦が手に入るはずもない。店に食べに行くという方法もあるが、面倒が勝っ
てしまい何時からか自ら蕎麦を打つようになっていた。
 最初のうちは御座なりなものだったが、やっている内に面白くなってしまった。最初は
二八で作っていたのだが、今ではつなぎを使わない十割蕎麦だ。粉も手ずから挽いている。
出来栄えも我ながら中々のものだという自負もあった。
 僕は袖を捲くると蕎麦を打ちにかかった。

 蕎麦を打つのは主に三つの作業に分かれている。木鉢で粉を捏ねる作業、打台で麺の塊
を伸ばす作業、そして切り板での包丁作業だ。
 最初の作業は水回しといい、あらかじめふるいにかけた蕎麦に水が均等にまわるよう
加水していく。一番初めの作業ながら、これが最も難しい。小麦粉をつなぎに使っていた
時にはそれほどだとは思わなかったが、蕎麦粉だけだと纏まらずぼろぼろと崩れてしまう。
ぬるま湯で水回しをすると比較的上手くいくのに気が付いたのは最近のことだ。この作業
の出来が風味や食感を決めてしまうので、逆に言えばこれさえ上手く行けば後は成功した
ようなものである。
 根気よく粘りが出るまで練り上げると、表面につやが生まれてくる。そうなった時が一
つの玉に纏める時期である。後は中に溜まった空気を抜くと最初の作業の終了である。
 これだけでも実に重労働で、ストーブもつけていないというのに僕はうっすらと汗をか
き始めていた。
「疲れるのは手だけでなく口も動かしているからじゃないのか?」
「見ているだけの誰かさんが手伝ってくれやしないかと期待しているのさ」
 これも毎年恒例のことなのだが、魔理沙は僕が蕎麦を打つのを見に来るのだ。というよ
りかは蕎麦が出来るのを待っているだけなのだろうが。
 結局魔理沙は「蕎麦を打つのは男の仕事だぜ」といって見ているだけである。無駄な期
待をしても仕様がないので、僕は次の作業に取り掛かった。
 玉となった蕎麦粉の塊を打ち台へと移す。初めは手で丸く広げて行き、その後打棒で四
角に伸ばしていく。厚みを均一に、伸ばす方向を一定にすることがコツである。
 正方形となった麺を打棒を増やし、長く長く長方形へと広げていく。伸ばし終えた部位
は乾燥を防ぐために打棒に巻き取っておく。生地を平均に仕上げるためには、手速く丁寧
な作業が求められるので、この作業も中々の重労働になる。
 伸ばし終えた生地をたたみ、包丁を入れれば麺の完成である。
「よし、これからは私達の仕事だな」
「私たち?」
 ――カラン、カラン
 魔理沙の言葉とほぼ同時に誰かが店に入ってきた。
「あら、丁度良い頃合じゃない」
 お気楽な巫女、霊夢である。彼女も大晦日には何故かここで蕎麦を食べていく。
 二人は手早く準備を整えると、僕を台所から追い出した。理由を尋ねても、
「料理は女の仕事でしょう。霖之助さんは新聞でも読んでゆっくり待っていて」
 確かに作ってくれるのは楽なのでありがたいのだが、何故か騙されているような気もす
る。

 年末に蕎麦を食べる習慣とは割りと最近のものである。何故なら現在の麺である蕎麦が
生まれたのがその頃で、昔は蕎麦といえば蕎麦掻きのことだったからだ。
「やっぱり十割は蕎麦の食感がでていいわよね」
「私は二八のつるっとした感じも嫌いじゃないぜ」
 二人とも僕の話を聞いていないが、まあこうして喜んでくれるのだから余り悪い気はし
ない。重労働をした甲斐があったというものだ。
 濃い目の汁が麺にしっかりと絡み、噛む内に蕎麦の味も広がっていく。うん、良い出来
だ。二人の持ってきた蕎麦焼酎が実に合う。労働の対価としては十二分なものだろう。
 美味い物はなくなるのも早く、あっと言う間に打った蕎麦はなくなってしまった。年を
越す前に食べきらなければ翌年金運に恵まれないと言われるが、自分で麺を打つようになっ
てからはそんな心配をすることもなくなった。かと言って金運に恵まれた訳でもないのだ
が……。
「さて、私達はもう行くぜ」
「じゃあね、霖之助さん。よいお年を」
 慌しく出て行こうとする二人の姿も例年通りである。彼女達はここで年を越しに来たの
ではなく、あくまで蕎麦を食べに来ただけだからだ。僕はわざわざ二年参りをしようとも
思わないので、店に残ることにしていた。初詣くらいは行くつもりだが。
「ところで前から聞きたかったんだが、どうしてわざわざ僕の所で蕎麦を食べるんだい?」
 店先で二人を見送ろうとしたところで、ふと疑問が口を突いて出た。
「折角だから十割の蕎麦が食べたいじゃない?」
「里でも十割蕎麦を出しているところくらいあったと思うが……」
「そうだけど……なあ。十割だとちょっと……」
「どうせなら知っている人の方がいいでしょ」
 二人は僕の手を見て言う。その言葉を聞いて僕はとても複雑な気分になった。
posted by sei at 06:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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